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最低賃金引き上げと中小企業への影響

  • 執筆者の写真: 田上
    田上
  • 9月8日
  • 読了時間: 2分

 令和7年から、熊本県の最低賃金は 時間額1,034円 に引き上げられることが決まりました。現行の952円から 82円アップ となり、2年前の引き上げ 54円 と合わせると、ここ2年間で合計136円上昇することになります。


物価の上昇や生活費の増加、さらに人手不足の深刻化に対応するため、国は毎年のように最低賃金を引き上げています。しかし、こうした急激な引き上げを一律に行うことが果たして適切なのか、疑問を持つ声もあります。

 

確かにパート勤務者にとっては時給の上昇は生活の安定につながります。しかし一方中小零細企業にとっては、人件費の急上昇による経費の圧迫となりかねない状況があります。今後人件費の増加に対応するため、事業規模を縮小したり、勤務時間を短縮したりせざるを得ないケースも出てくるのではないかと思われます。


これに対して国は助成金の活用を提案していますが、中小零細企業にとっては 生産性向上のための時間やコストを確保するのは容易ではありません。他方、外国人労働者を雇用することで助成金を受けやすくなる制度があるため、企業によっては外国人労働者の活用を検討するケースも出てきています。このようなことから移民拡大政策の推進による外国人労働者の積極的な採用と最低賃金の急上昇は影響しあっているのではないかといった意見もでています。

 

このように最低賃金の急激な引き上げは、働く人にとってのメリットと、中小企業の生き残りの難しさを同時に生み出しています。今後も最低賃金が上昇していくと、廃業に追い込まれる事業者が増える可能性もあり、注意して見ていく必要があるテーマだと思います。

 
 
 

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